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食塩無添加の食材でおいしい野菜の炒め物

食塩無添加日記 2022年4月24日

食塩無添加の食材でおいしい野菜の炒め物

                                  上島 弘嗣

フライパン一つで簡単にできる野菜の炒め物は私の定番である。味付けは普通なら調味料でするが、私は大概、食材でする。自然に含まれる食材の塩分や風味で食べると自然と減塩になり、しかも美味しい。

 写真1はイワシの煮干しであるが、これは塩無添加の食品である。乾燥しているが、柔らかくて美味しい。天然のわずかな塩味がある。もう一つは、いつもおやつに食べている食塩無添加の素焼きミックスナッツである(写真2)。これも食塩無添加である。この頃、このような食塩無添加の包装食品は、近所のスーパーで多く出回っている。一時期より随分と品揃えが豊富になったと感じている。

 さて、定番通り野菜を刻み(写真3)、油で炒めたものに、味付け風味付けとして、食塩無添加の煮干しとナッツを置く(写真4)。たまたま冷蔵庫に柑橘類があったので、それを添えた。勿論、無塩のポン酢でも少し塩分を含むドレッシングを少量かけてもいい。減塩のコツは、少しでも塩分を少なくする努力が大切であり、その中で、うす味になれることである。風味があれば、意外と薄味でも美味しい。

 79歳にならんとする爺さんの簡単減塩料理の野菜の一品である。

写真1 食塩無添加の煮干し。フワッとした触感のある煮干しでおいしい。

おやつにもなる。

写真2 食塩無添加の素焼きミックス。ナッツの風味がよい。ピスタチオも

入っていたので、これは先に食べた。

写真3 人参、葉物、キノコを刻んでフライパンで炒める。

写真4 炒めた野菜に食塩無添加の煮干しと食塩無添加の素焼き

ミックスナッツで香ばしい風味をつけ、柑橘類でアクセントを付けた。

久しぶりの受診で尿中のナトリウム・カリウム比測定

食塩無添加日記 2022年3月15日

久しぶりの受診で尿中のナトリウム・カリウム比測定

                              上島 弘嗣

昨日、久しぶりの循環器内科を受診した。大動脈弁膜症の置換術後半年以上が経過した時点で、外科から内科へ戻っている。昨日は、久しぶりに血液検査と尿検査を受けた。

 その中に、尿中のナトリウム、カリウム排泄量の結果があったので見てみると、ナトリウムが34.0mEq/L, カリウムが105.8mEq/Lであった。これをナトリウム・カリウム比にすると0.3となった。日本人の平均値の10分の1以下の成績であり、減塩とカリウム摂取の食事療法が維持されている。因みに、大雑把な食塩に換算した推定摂取量は、1日の尿量を1.5Lとして推計すると3g/日程度となる。以前の24時間蓄尿の成績と変わりない。

 時には、おやつに『かきもち』(我が好物!)を食べているが、日常の食塩摂取量が少ないので大丈夫だ。

昨年11月頃から随分と血圧が安定している。家庭では、いつ測定しても、めったに収縮期血圧は140mmHgを超えることがない。大抵は135-110mmHg程度である。拡張期血圧は70mmHg程度である。40歳代から血圧が高かったので、満79歳近い身としては申し分ない。心臓保護作用のある2種類の薬を最低限服用しているので、少しは降圧にも影響していると思われるが、いずれにしても上等である。かつては、もうこれ以上増やせないほど降圧薬を飲んでいたのだから。

ところで、私は時々塩味を含む食品を少々使って、ご飯を美味しくいただくことがある。写真1は定番の大根おろしにちりめんじゃこを振りかけたもの。写真2は、タラと野菜の水煮に小ちくわの半分を切って入れたものである。どちらも、塩分を少々含むがごくわずかであるので、皆さんにもお勧めである。

写真1 定番の大根おろしにちりめんじゃこを振りかけたもの。ちりめんじゃこの塩分はごくわずかである。

写真2 タラの切り身と野菜の水煮に小ちくわの半分を切って入れたもの。ちくわは塩分を少々含むがごくわずかである。

油物は無塩でも美味しいー琵琶湖のワカサギ

食塩無添加日記 2022年2月9日

油物は無塩でも美味しいー琵琶湖のワカサギ

                              上島 弘嗣

ワカサギ釣りはしたことがない。テレビで時々見かけるのは、厚い氷の上に丸い穴をあけ、箸を長くしたような小さな釣り竿で釣っている姿である。琵琶湖では余呉湖でワカサギ釣りの釣り堀があるのは知っていたが、琵琶湖でも浜で夜にワカサギが獲れるというのは、つい最近まで知らなかった。1月から2月の初めにかけて琵琶湖畔でも獲れる、というのを教えてもらったのは行きつけの散髪屋さんであった。産卵に群れで浜にやってくる。もちろん、この時期とても寒い。手袋をしていても手がかじかむので、取りすぎることはない。

 写真は小さな手網で獲ったワカサギである(写真1)。もちろん、これは天ぷらにした(写真2)。天ぷらは、塩や出汁を使わなくてもとても美味しい。油物は、塩分を含む調味料を使わなくても美味しく食べられる料理の代表である。ほくほくとしてクセもなく実に美味しい。最高であった。

 あと1,2か月すれば琵琶湖で小鮎が釣れるようになる。

写真1 琵琶湖畔の浜ですくったワカサギ

写真2 ワカサギの天ぷら。このまま塩や出汁を使わなくても

ホクホクとあっさりとした味でとても美味しい。天ぷらは塩切り料理の代表。

食材でおいしさを演出しよう

食塩無添加日記 2022年1月21日

食材でおいしさを演出しよう

                              上島 弘嗣

 原則、食塩を含む調味料を使わないと言っても、美味しく食べられなければ“縁切り料理”も長続きはしない。例えば、私が良く作る子イワシの生姜と酢の煮物は、醤油を使わなくても美味しくいただける。(写真1)イワシそのものが美味しいのである。ところが、釣ってきた小さなサバをおなじように生姜と酢とで煮ても、もう一つであった。(写真2) コクが足りないようであったが、まあ、そのままいただいた。たぶん、少し醤油を使ったらもっとおいしくなったかもしれない。

 写真3の麺類の出汁を取った昆布と鰹の残りであるが、これに市販の塩昆布を少し混ぜて減塩にした料理は以前に紹介した。しかし、今回は市販の昆布の佃煮がなかったので、酢を主に醤油を少々加え、さらに、ちりめんじゃこを指でつまむほどの量を加えて、昆布の佃煮を作ってみた。超薄味であるが、山椒の実の風味も加わり美味しくできた(山椒の実は、和歌山の山椒を通販で求めた)。私は“塩切り料理”を基本とするが、少し、このようなアクセントを使ってご飯をいただくと、食が進み幸せを感じる。

 寒さが続くにも拘わらず、昨年の11月より血圧は極めて安定している。

写真1 子イワシの生姜、酢煮。醤油は入れていないがコクがあり、美味しくいただいた。

写真2 子鯖(若狭で釣ったもの)の生姜、酢煮。イワシができるならと同じように作ってみた。イワシの方がおいしかった。

写真3 前日のうどんの出汁を取った昆布と鰹節に山椒、酢を入れて、ちりめんじゃこを少々加え、味を付けて(ちりめんじゃこの塩味とうま味が加わる)塩昆布の代わりに。山椒の風味も効いて美味しい。食欲増進の添え物。

食塩摂取量の少ない人ほど循環器疾患発症リスクが低い

食塩無添加日記 2021年12月21日

食塩摂取量の少ない人ほど循環器疾患発症リスクが低い

:24時間蓄尿2回の成績からの追跡調査結果

                              上島 弘嗣

以前、このコラムでも「ドクターうえしまの塩切り奮闘記」でも、減塩有害説に惑わされないようにと述べた。減塩有害説の論文の誤りは、食塩摂取量の推定に偏りが生じる随時尿によるものや、性質の異なる新旧の調査を単純に合算してデータ処理していた疫学データ処理の誤り等からくるものであることを指摘した。

今回発表された論文は(参考文献)、食塩やカリウムの摂取量の推定に2回の24時間蓄尿による調査が実施されたものを世界中から6集団(男女合計1万人余り、平均年齢51.5歳を)拾い出し、集団による偏りを注意深く検討して分析したものである。

それぞれの集団ごとでも、それを総合したものでも、食塩の摂取量が多いほど循環器疾患(ここでは、脳卒中や心筋梗塞、冠動脈疾患など)の発症リスクは高かった。また、食塩摂取量の低い群でのリスクの逆上昇も見られなかった。一方、カリウムについては、その摂取量が多いほど循環器疾患リスクが低くなった。尿中のナトリウムとカリウムの比についても、その値が高いほど循環器疾患発症リスクは高くなった。

この論文の結果は、ナトリウムの摂取量が1日1000mg多くなると(食塩換算量約2.5g)循環器疾患発症リスクは約18%高くなっていた。カリウムでは1日1000mg多くなると逆に18%低下していた。

 さあ皆さん、今日も一日減塩しましょう。

 写真は、無塩野菜豆腐汁(写真1)と釣った小鯛の素焼き(食塩振らず)(写真2)のものです。汁物には、とろろ昆布を入れて少し味付けの足しにしています。

写真1 野菜たっぷりの汁物、子芋も入っている。醤油、塩なしだが、とろろ昆布で少し味付けしている。カリウムもたっぷり。

写真2 釣った小鯛をそのまま焼いたもの。塩は振っていないが実に美味しい。

参考文献

Ma Y, et al. 24-hour urinary sodium and potassium excretion and cardiovascular risk. N Engl J Med. 2021 Nov 13. doi: 10.1056/NEJMoa2109794. Online ahead of print.

具材を生かして味付けを

食塩無添加日記 2021年11月12日

具材を生かして味付けを
                                       上島 弘嗣

アマゾンの奥地に住む原住民ヤノマミの人々は、食塩を添加した食物を取らず、もともと食物に自然に含まれているナトリウムで命をつないできた。1980年代の食塩と血圧に関する国際共同研究(インターソルト研究)では、このヤノマミの人々の24時間蓄尿中におけるナトリウム排泄量は殆ど0に近かった。この意味は、余分なナトリウムを殆ど摂取していないということである。したがって、ナトリウムが不足しないように、尿から出ないように腎臓で精いっぱい再吸収しているのである。

 ヤノマミの人々は、現代社会の私たちと違い、血圧は低く、歳をとっても血圧は上昇しないが、これは、ナトリウムの摂取量が少ないことが、大きな要因と考えられている。

現代社会に暮らす私たちは、自然の食品のみならず、塩分の添加された加工食品や料理を食べるので、体に必要なナトリウム以上のものを日常の生活のなかで取っている。この余分なナトリウムが尿の中に排泄される。もし排泄されなければ、私たちの体は水膨れしてしまう。

1日の24時間中に排泄される尿中のナトリウム量から1日当たりの食塩相当量を推計すると、多くの日本の研究では、1日一人当たり10-11g程度となっている(図)。この分が、大まかに言えば、必要以上に取っている量になる。

食塩無添加でも1日1-2g程度の食塩相当量(食材に含まれるナトリウム量から食塩相当量を推算)は食材そのものから入ってくるので、普通に生活していれば、特別な病気がない限りナトリウムが不足することはない。

 そこで、今日のお勧めは、自然に含まれる食材の風味、うま味をできるだけ利用して、余分な塩分の添加をできるだけ控えた食事をしようと言うことである(写真)。写真は食塩を含む調味料を添加せずに調理した煮物汁である。具材が豊富だと結構いける。試してみてください。

参考文献

Mancha-Carvalho JJ, de Oliveira R, Esposito RJ. Blood pressure and electrolyte excretion in the Yanomamo Indians, an isolated population. J Hum Hypertens. 1989;3:309-14. PMID: 2810327

 24時間蓄尿に基づく日本の研究者の報告では、日本人男性の食塩摂取量の推計値は1日当たり10-13.5g程度であった。調査年は1985-2013年のもの。この期間では、食塩摂取量は大きくは変化していない。

写真 お汁でもあり煮物でもある。冷蔵庫にある野菜や根菜類の具材をたっぷり放り込み、ジャガイモやさつま芋でうま味と甘味を引き出し、大根、ネギ、厚揚げも入れて風味もあり美味しい汁煮物にする。

工夫で乗り切る「塩切り料理」―世界保健機関の呼びかけに呼応しよう

食塩無添加日記 2021年10月28日

工夫で乗り切る「塩切り料理」ー世界保健機関の呼びかけに呼応しよう
                               上島 弘嗣

世界保健機関(WHO)は、2025年までに世界の人々の食塩摂取量を1日当たり5g未満にしようと呼び掛けているが、あと4年で実現可能とは思われない状況である。ここ数年は国民健康栄養調査でも男性10g、女性9g程度で殆ど低下は見られていない。
 私の普段の食塩摂取量は1日当たり4g前後であるが、外食が続いたときに測定した翌日朝の随時尿中のナトリウム・カリウム比(mol/mol)が何と3.8あり、ここ数年での最高値を示した。もちろん、二日後には1前後に戻ったが油断すると高くなることを改めて経験した。
 WHOの基準を満たすには、現在の国民一人一日当たりの食塩摂取量を約半減しなければならないが、今まで濃い味付けが好みであった人には容易でない。私は麺類の出汁は原則食塩を含む調味料を使わず、昆布と鰹節、出汁雑魚などで出汁をとり、それを使って麺を食べているが、この出汁を取った後の昆布、鰹節、出汁雑魚に、山椒の実(冷凍のもの購入可)と市販の塩昆布を加えて増量し、食欲増進薬味(?!)を作った(写真)。
 これが実に美味しいので気に入っている。もちろん、塩分は多少入るが他の料理には塩分を殆ど使っていないので、塩分摂取量はわずかであり、ご飯が進む。
 この経験から、食欲を落とさないためには、どれか一品、塩分を含む食品を少しいただくのも減塩を続ける方策であると思っている。

写真 うどんの出汁を取った昆布、鰹節、出汁雑魚を刻み、それに山椒の実と市販の塩昆布を少量加えてご飯のお供(食欲増進薬味?!)を作った。山椒の風味も実にいい。

ナトリウムの一部をカリウムに置き換えた代替塩

食塩無添加日記 2021年9月25日

ナトリウムの一部をカリウムに置き換えた代替塩
                               上島 弘嗣

アメリカの医学雑誌に中国の600の村を対象にして、半々、代替塩と通常の塩を使い5年間追跡する臨床試験の成績が発表された。脳卒中の既往のある人や高血圧のある人で平均年齢が65.4歳の男女約2万人を対象としている。この代替塩は通常のナトリウムの25%をカリウムで置き換えたものである。したがって、仮に薄味にしなくても25%程度は成分構成からするとナトリウムが少なくなる。味はこの程度だと、料理に使って食べると違いが分かりにくい。ナトリウムをカリウムに置き換えているので、血中のカリウムが高くなって健康傷害が出ないかも検討課題であった。
 結果としては、代替塩群が通常の塩を使っている群よりも収縮期血圧が3.3mmHg程度低くなり、24時間蓄尿における食塩相当量が約0.9g下がり、カリウムは20.6mmol(527mg)増えた。そして、脳卒中発症は14%程度減少した。血圧の低下から予測される脳卒中の減少であると理解できる。代替塩による健康障害の増加は見られなかったという。
 この論文は、代替塩の安全性と効用を示す重要な一つの論文と言える。
 代替塩を使うことは、塩味をあまり変えることなく、ナトリウムの摂取を減らすこと、また、カリウムの摂取が増えることを意味している。したがって、薄味による減塩を目指すための第一選択品ではないが、薄味を目指しつつ、さらに代替塩にすることは減塩の程度をより一層大きくすることには役立つと思われる。また、加工食品に含まれるナトリウムの量をほぼ味を変えることなく減らすことも可能である。
 ナトリウムをカリウムに置き換えた醤油や調味料はスーパーでも売っているが、なければ、代替塩に置き換えた商品の販売を促進しようとしている、一般社団法人適塩・血圧対策推進協会(理事長はかつての同僚、私もポランティアとして理事)のホームページに通販の情報がある。
最後に注意を。腎機能に障害のある人は、カリウムの摂取を制限しなければならない場合があり、そのような方は主治医の指導に従ってください。

参考文献:Neal B, et al. N Engl J Med 2021;385:1067-77.

野菜のうま味で無塩野菜汁

食塩無添加日記 2021年8月27日

野菜のうま味で無塩野菜汁

                               上島 弘嗣

汁ものに調味料をたっぷり入れるとおのずと食塩が沢山入る。仮にその汁が薄味であっても量が多ければ同じである。昔「みそ汁を倍に薄めて2杯飲み」などという川柳を作ったことがあった。

 さて、写真の野菜煮のスープは、ジャガイモ、玉ねぎ、豚肉のうま味を生かして、水菜の食感と緑の美しさを出した簡単料理である(写真1)。脂肪分も少なくてコレステロールの高い人でも大丈夫。もちろん、豚肉を沢山入れればコレステロールが上がりやすくなるが、この程度なら知れているし、むしろ栄養のバランスからはおすすめである。

 なんでも程度の問題であるので、こんな水くさい味のものはかなわんと思う方は、一品少し味の濃いものをご飯に添えるのも一法である。

 先日、たまたま市販の塩昆布が冷蔵庫にあったので、それを少し拝借してうどん出汁を取った昆布とカツオ節を生かし、さらに山椒の実を加えて煮た。総量が5倍以上になったので、正しく塩分が5分の1になったのと同じである。これは、ご飯の添え物に良かった。もちろん、塩分は少し入るが量は知れている。写真2はそれを野菜料理の左端に添えてアクセントとしていただいた。

写真1(私の料理) 食塩無添加の豚肉入り野菜スープ、野菜と豚肉のうま味が調和して美味しい。

写真2(私の料理) 野菜炒めと生野菜、薩摩芋のフライパン焼きにうどん出汁を取った昆布と鰹節に市販の塩昆布を加えて増量して減塩したものを添えた。山椒の実も加えたので風味もまして美味しかった。

カリウムたっぶりの野菜そば:カリウムはナトリウムの作用を抑制する

食塩無添加日記 2021年7月4日

カリウムたっぶりの野菜そば:カリウムはナトリウムの作用を抑制する
                               上島 弘嗣
ナトリウム(食塩を構成するミネラル)を取るとのどが渇き、水分が必要となります。すると体液量が増える方向に働き、ナトリウムと余分な水分等を腎臓から排泄しようとします。このとき、血圧が上がりやすい人は、そうしないとナトリウムと水分を腎臓から排泄することができないからとされています。
 歳を重ねると食塩による血圧上昇が起きやすくなりますが、これは、ある意味当然で、老化とともに、すべての体の安全装置が機能低下を起こすからです。すなわち、高齢になるほど、一般的に環境の影響を受けやすくなります。
 血圧を下げるには、まず、できる限りナトリウムの摂取量を控えることですが、このナトリウムの作用を抑える働きがあるのが野菜や果物に多く含まれるカリウムです。カリウムは腎臓からナトリウムの排泄を促す作用があります。腎臓に病気があり、医師からカリウムを控えるように指示されている人は別ですが、普通は、カリウムを多く含む野菜や果物を摂取すると血圧が下がる方向に働きます。
 そうはいっても、ナトリウム(食塩)を多く取ると、カリウムで血圧を下げる効果は低下しますので、食塩を控えながらカリウムの多い食品を取るのが理想的です。(図1)
 今日は、写真1のようにジャガイモ、玉ねぎ、なすび、キャベツ、もやし、三度豆、パブリカなどの多くの野菜を水煮して、少し化学調味料を加え、これに茹でたそばを入れて食べました(写真2)。乾麺のそばは別の鍋で茹でましたので、麺に残っている食塩はわずかです。定番の鰹、出汁雑魚、シイタケ、昆布で作った出汁でなくとも、美味しくいただけました。皆さん、試してみてください。もちろん、出汁も全部飲めます。

写真1(私の料理) 麺類の汁を野菜で作る。玉ねぎ、なすび、
キャベツ、もやし、三度豆、パブリカなどの多くの野菜を入れた。
化学調味料も入れた。

写真2 そばは別の鍋で茹で水洗いした後、野菜汁の中に入れる。
それをどんぶりに。野菜のうま味の出汁はカリウムたっぷり、
お汁が全部飲める。