月別アーカイブ: 2014年6月

2014年6月27日

随時尿のNa/K比の変動:夜間尿と朝食前の尿は高い

上島弘嗣

家庭での食事は、食塩を原則無添加にしてはや110日を超えました。週に数回は少なくとも外食しますので、この前の日記に書いたように、所詮アマゾンの奥地に住むヤノマモインディオの人々のように、24時間蓄尿中のナトリウムがほとんどゼロに近いような値にはならず、4.8gも食塩に換算してナトリウムが排泄されていました。まだ、実証はしていませんが、外食の機会が少なければたぶん1日3g未満の食塩摂取量になっていると思っています。ヤノマモの人々は、狩猟生活であり、食べるものは自分たちで調達する生活ですので、食塩が添加されている加工食品を食べる習慣はありません。私たちはそんな生活はとても無理といえます。従って、1日食塩摂取量5g未満とか3g未満がせいぜい達成できる目標値でしょう。

随時尿のNa/K比をせっせと計っていると、Na/K比に日内リズムがあることがわかりました。夜間の随時尿と朝食前までの随時尿は、Na/K比が昼間や夜寝る前までの随時尿と比べて高いのです。現在の夜間や朝食前の随時尿のNa/K比は、1.0-2.0程度ありますが、昼間は、0.1-0.9程度です。料理屋さんで懐石料理を食べた後などは、3.0に近い値でした(気をつけて特に塩を多く含むものは食べなかったが)。夜間尿のNa/K比が高いことは、Hypertension Researchに報告した論文でも同様の傾向が見られました(Iwahori T, et al. 2014、印刷中)。特に私は、野菜を昼間たっぷり食べるので余計に昼間はNa/K比が低くなると思われます。どうも、NaよりもKの方が早く排泄されるようです。体液として貯留するのはNaを含む水分が主ですので、それは理解ができます。

ところで、これから暑くなって脱水にならないかという点ですが、私は外で汗をかいて長時間体を動かすことはないので、今のところそのような症状が出たことはありません。ただ、妻も私に合わせて食塩無添加食を食べていますが、外で暑い日に畑をしていて体がだるくなったと言っていました。チーズをちょっと多めに食べたら直ったとのことで、妻は、あれは脱塩による脱水症状だったと主張していますが、脱水症状であったとしても、それが食塩を減らしたためかどうかはわからないというのが私の考えです。

最後に、久しぶりに自分で作った昨日の夕食を紹介します。どんぶりの替わりに卵ととろろ掛けご飯を食べ、好物の揚げ豆腐と野菜の炒めもの、鱈と鳥肉せせりの焼きものをおいしくいただきました。ビールも。すべて、添加食塩ゼロですが、鱈は生でもやはり塩味はしますね。海産物は生でも適当に食塩が入ってきます。とろろと卵を混ぜたものよりは、生卵だけをご飯にかけて食べた方が卵の風味を味わえておいしいので、次から混ぜるのはやめにします。

とろとろ卵ごはん   揚げ豆腐野菜炒め

左:炊きたてのご飯に卵ととろろを掛けて食べる。わさびを添えるとなおいいです。

右:好物の揚げ豆腐野菜炒め。揚げ豆腐の風味は大好きです。

鱈の切り身と鶏のせせり肉

生の鱈の切り身と鶏のせせり肉を焼きました。二つとも、味が濃くおいしいですね。

 

2014年6月4日

24時間蓄尿の成績――――まだ“ヤノマモ”にはほど遠い状況

上島 弘嗣

 

私の食塩無添加食は、6月に入って90日を超えました。外食で仕方なく食塩の入ったものを食べる以外は、家では一切、食塩や食塩の入っている調味料での味付けはしていません。5月24日、25日の両日、広島市で開催された日本高血圧学会の臨床高血圧フォーラムに参加してきました。この中で、減塩に焦点を当てた“減塩サミットin 広島”も行われ、私も、急遽食塩無添加食日記の実情を披露してきました。会期中も食塩2gのおいしいお弁当が用意されていました。2日間、外食したとはいえ、減塩弁当もいただき、ホテルでの朝のバイキングも注意して食塩が入らないようなものを選び、また、帰宅する日の夕食も駅の居酒屋さんで刺身とドレッシング抜きのサラダを頼み、ご飯を1膳いただきました。それで、食塩の摂取量は少ないと思っていたので、帰宅した翌日の朝9時から24時間蓄尿を始め、1日の食塩排泄量を推計することにしました。

26日から27日の朝までは、26日の昼食を除き、いつもの通り家庭での食塩無添加食をいただきましたので、十分に減塩できていると思っていまいした。さてさて、24時間蓄尿における食塩排泄量の推計結果は、私の期待に反して、何と4.8gもありました。いやはや、がっかりしました。いつぞやこの日記に書いたように、3g未満にはなっていると思っていたのです。

1980年代に調査されたINTERSALT studyの結果ではヤノマモの人たちの24時間蓄尿中のナトリウム排泄量はほとんどゼロでしたので、本当に食塩なしの生活が反映していました。

1回の24時間蓄尿の成績だけでは不十分ですので、再度、家庭での食塩無添加食が続いた時の24時間蓄尿中の成績をいつかまた報告したいと思っています。