月別アーカイブ: 2017年3月

2017年3月29日

 食塩無添加日記 2017329

 

  無塩・減塩のおいしい汁物

                       上島 弘嗣

汁物はどうしても塩分が入るので、3年前に食塩無添加食を始めたときは、汁物は無塩トマトジュースを使ったものや牛乳入りポタージュなど以外は作っていませんでした。しかし最近は、工夫すれば無塩でも美味しい汁物が食べられるとわかりました。それらは、時々はこの欄で報告していましたが、ここに今までの無塩・減塩汁物の作り方として、まとめてみました。

また、妻の裏話その3も掲載しました。

  • 鶏肉、椎茸、昆布、鰹節で出汁を取った汁物(写真1)
  • 出汁にミキサーにかけたカボチャを入れポタージュに(写真2)
  • 鱈、鶏、豆腐、野菜などを入れた鍋に近い具沢山のスープ(写真3)
  • 鶏肉と根菜のポトフ(写真4)
  • 牛乳無塩ポタージュ(写真5)
  • 春雨入り無塩のおつゆ(写真6)
  • 雑炊風鶏肉スープ(写真7)
  • 無塩トマトジュースの汁物

 

1

写真1 出汁と具の単純なおつゆ(妻の料理) 無塩の鶏、昆布、鰹でとった出汁にカブラ、キャベツ、玉ねぎなどの野菜を入れ、鰹節をかける。出汁と野菜のうま味が調和して美味しいです。

 

 

2

写真2 カボチャのポタージュ(妻の料理) 写真1などの無塩出汁の残りは、妻は上手にポタージュに使います。うま味のあるスープは捨てるのはもったいない。牛乳なしでも出汁とかぼちゃの甘みでおいしくなります。

 

 

3

写真3 鍋に近い具沢山のスープ(私の料理) 鱈と鶏肉、揚げ豆腐に白菜などの野菜を刻んで水で煮込んだ、鱈と鶏肉、揚げ豆腐入りのスープ。鶏と魚は良いだしになります。七味をふりかけていただきました。

 

 

4

写真4 根菜と鶏のポトフ(妻の料理)サツマイモとカボチャは炭水化物で甘みがあり、出汁はなくてもうま味がでます。

 

 

5

写真5 牛乳無塩ポタージュ(妻の料理) 牛乳、豆腐、玉ねぎ、サツマイモ入り。豆腐はうま味がでにくいのでサツマイモなど甘みのある根菜を入れました。

 

 

6

写真6 春雨入りおつゆ(妻の料理) 出汁に春雨、水菜をいれ、海苔を掛けたもの。春雨が入っていると麺好きの私には無塩でも好物になります。

 

 

7

写真7 鶏スープ雑炊(妻の料理) 鶏肉スープ、卵、ごはん、トマト、レタス、新玉ねぎ、人参を入れました。少し残ったごはんがとろみになっています。雑炊と言うより汁物かも。

 

 

8

写真8 卵と豆腐のスープ(妻の料理)豆腐と卵をかきまぜてとろとろにしたものを少しずつ煮立てた出汁に流し入れて作りました。岩のりも薬味にしました。

 

無塩減塩裏話 その3

上島 嘉美

自分で決めて特にブログなどで公表するようなことはきっちりする夫ですが、日常生活は、私から見るとまだまだ自分に甘い、甘い物好きの夫です。

最近は糖の吸収を遅らすように野菜から食べることがすすめられていて実践されている人が多いようですが、なかなか夫にはできず、ご飯大好き夫は、食事中左手からご飯茶碗を離しません。ぎょうぎが悪いのではないのというと、おかずの受け皿変わりだとのこと。温泉に行ったとき、他の泊まり客の食べ方を観察してみましたが、誰もご飯茶碗を手から離さず食べている人はいませんでした。

和食がブームのようですが、私達の世代は、家庭ではご飯、おかずと食べるようにしつけられました。味のしっかりしたおかずに白いごはんが一番おいしいと思う人が多く、料理番組などでも、御飯のすすむおかずという料理がけっこうあるようです。味の濃いおかずに、ごはんを沢山食べるような食べ方が、一番太りやすいと思います。特に無塩、減塩を心掛けるには、懐石風に、おかずから先に食べ、最後にちょっぴりご飯を食べるようにしたほうが良いと思うのですがいかがでしょうか。

 

2017年3月16日

食塩無添加日記 20173月16

 

久しぶりに二八そばを打つ

                       上島 弘嗣

永らく手の具合が悪く5年以上もそばを打っていませんでしたが、嬉しいことに具合が良くなり、先日、そば粉を発注し、片付けてあった道具を探してきて二八そばを打ちました。手打ちそばは、手打ちうどんと違い塩水を使いませんので、無塩でできます。そこに、いつものように、昆布とかつおで出汁をとり無塩のおつゆを作って冷やしました(写真1)。

久しぶりのそば切りでしたので、できあがったそばは少し太めになりました(写真2)。

ねぎを刻んで無塩つゆにわさびを入れ、二八そばを堪能しました(写真3)。最後に、無塩のおつゆに醤油を少し入れて試しに食べてもみましたが、その必要性はなく、無塩のつゆで十分でした。

そばを茹でたあとのそばつゆも無塩出汁を少しいれて美味しくいただきました(写真4)。

 

1

写真1 無塩の手作り出汁(私の料理) 昆布と鰹でとった出汁を瓶に入れ、冷やしました。濃いめの出汁にしました。

2

写真2 手打ち二八そば(私の料理)5年以上も休んでいたので、そば切りが少し太めになりましたが、それでも、美味しそうにできあがりました。

 

3

写真3 無塩の手作り出汁(私の料理) 冷やした無塩出汁ねぎを刻んでわさびを少し入れ、無塩の手打ち二八そばを美味しくいただきました。

4

 

 

写真4 そばを茹でたあとのそばつゆ(私の料理) 無塩の出汁を加え無くても美味しいです。そばの風味たっぷりでした。

2017年3月1日 雑感

私が家庭での食塩無添加食を始めたのは2014年の3月ですので、丁度、丸3年が経過しました。
食塩無添加食を始めた動機は、降圧薬が減らせない、持病の心臓病のために足に浮腫がでる、
主治医にもっと減塩をしてくださいと言われた、等々のことからです。
減塩指導は私の専門の範囲でもありましたので、これはいかんと思い、もっと減塩を徹底しようと
考えたのです。
現在の食塩量を半分以下にするには、自分達が調査した結果から、家庭での料理に食塩の入っている調味料を原則使わないことにしないと、容易に達成できないことが分かりました。
とは言え、どんな食事になるのだろう、まずいだろうな、悲惨だろうな、などと正直思っていました。
ところが、1月もしない内に、食塩無添加食って美味しいな、楽しいな、今日はどんな料理になるかな、とむしろわくわくし出したのです。
そして、食材の本来のおいしさを楽しむことができるようになりました。
もちろん、これには妻の支援なしにはできなかったことですが、3年経った現在では、妻がいなくても、自分で食塩無添加食を造れるようになり料理も楽しくなってきました。
仕事上、外食をする機会が多いのでそのときは出来るだけ塩分の少ない料理をいただきます。
外食が続いた後でも、家に帰ればすぐに食塩無添加食に戻ります。
体重コントロールのようにリバウンドすることは有りませんし、そのような不安は全くありません。
結果として、降圧薬は一頃の半分に減らすことができ、寒い冬でも血圧値は120mmHg前後に収まっています。
もちろん、すねの浮腫は消えました。
・・・時々、減塩は有害である、などという変な疫学研究論文が出て、それをまことしやかに喧伝する医師もいますが疫学は私の専門ですので、幸いにもそのような論文を見るとすぐにその論文の誤りや問題点を見抜くことができます。
減塩は有害であることを示すような質の高い論文、信用するに足る論文は今までありません。
有名な医学雑誌に掲載されていても、信用するに足るかどうかは、しっかりとその論文を吟味し、
誤りや問題点がないか確かめることが条件となります。
論文の結果だけを物知り顔に吹聴する人にだまされないようにしないといけません。
減塩運動はWHOを初めとして、多くの国の健康的な生活習慣の基本として世界中で進められています。
タバコ規制に抵抗したタバコ会社のように、一部の食品産業は研究者を抱き込み減塩有害論を支援していますが、そのような研究者はすぐに正体を暴かれます。
最近、減塩は有害であるとの論文を立て続けに出したカナダの研究者グループが、食品業界から多くの研究費をもらい、それを論文で開示していなかったことが同じ国の研究者から暴露されました。(※)
減塩は個人の努力だけでなく、加工食品に含まれる塩分も減らす必要があります。
これには、食品産業界の協力が必要です。
実際に、多くの減塩食材や加工食品が販売されるようになり、レストランでも食塩含有量が記載されるようになりました。
国民の一人ひとりの努力で食塩摂取量を少しでも減らし、血圧の上昇を抑制し血管の老化を防ぎたいものです。
それが健康寿命を延ばすことに繋がります。
上島 弘嗣
※ Campbell N RC. Dissidents and dietary sodium: concerns about the commentary by O’Donnell et al. International Journal of Epidemiology, 2016, 1–5doi: 10.1093/ije/dyw292