食塩摂取量の少ない人ほど循環器疾患発症リスクが低い

食塩無添加日記 2021年12月21日

食塩摂取量の少ない人ほど循環器疾患発症リスクが低い

:24時間蓄尿2回の成績からの追跡調査結果

                              上島 弘嗣

以前、このコラムでも「ドクターうえしまの塩切り奮闘記」でも、減塩有害説に惑わされないようにと述べた。減塩有害説の論文の誤りは、食塩摂取量の推定に偏りが生じる随時尿によるものや、性質の異なる新旧の調査を単純に合算してデータ処理していた疫学データ処理の誤り等からくるものであることを指摘した。

今回発表された論文は(参考文献)、食塩やカリウムの摂取量の推定に2回の24時間蓄尿による調査が実施されたものを世界中から6集団(男女合計1万人余り、平均年齢51.5歳を)拾い出し、集団による偏りを注意深く検討して分析したものである。

それぞれの集団ごとでも、それを総合したものでも、食塩の摂取量が多いほど循環器疾患(ここでは、脳卒中や心筋梗塞、冠動脈疾患など)の発症リスクは高かった。また、食塩摂取量の低い群でのリスクの逆上昇も見られなかった。一方、カリウムについては、その摂取量が多いほど循環器疾患リスクが低くなった。尿中のナトリウムとカリウムの比についても、その値が高いほど循環器疾患発症リスクは高くなった。

この論文の結果は、ナトリウムの摂取量が1日1000mg多くなると(食塩換算量約2.5g)循環器疾患発症リスクは約18%高くなっていた。カリウムでは1日1000mg多くなると逆に18%低下していた。

 さあ皆さん、今日も一日減塩しましょう。

 写真は、無塩野菜豆腐汁(写真1)と釣った小鯛の素焼き(食塩振らず)(写真2)のものです。汁物には、とろろ昆布を入れて少し味付けの足しにしています。

写真1 野菜たっぷりの汁物、子芋も入っている。醤油、塩なしだが、とろろ昆布で少し味付けしている。カリウムもたっぷり。

写真2 釣った小鯛をそのまま焼いたもの。塩は振っていないが実に美味しい。

参考文献

Ma Y, et al. 24-hour urinary sodium and potassium excretion and cardiovascular risk. N Engl J Med. 2021 Nov 13. doi: 10.1056/NEJMoa2109794. Online ahead of print.