好物の餃子を皮に含まれる0.2gの食塩のみで食す
先日、大学の同級生が泊まっていったが、目的の一つに食塩無添加料理を食べてもらうことにあった。彼は長野県の農村部の診療所長として、日々高齢者の病気の治療と生活の支援をしている。きっと高血圧の患者さんも沢山抱えているはずである。帰宅してからのはがきに、意外と美味しかったし、自分たちもやってみようという気になったとあった。
もう25年も前のことであろうか、ロンドン大学の教授である友人の家に泊めてもらったことがあるが、そのときにいただいた朝食に塩気がなかったので、「これはlow salt (減塩食)か」と尋ねると「いや、no salt (無塩だよ)」という返事で、うわーかなわんな、という思いをしたことがある。彼は察したのか、「夕食をレストランにするか、それとも自宅で食べたあと演劇を見に行くか」と聞いてきたので、迷わず、「レストラン」と答えたことを覚えている。今なら、逆に迷わず「自宅で無塩食を」と答えたに違いない。
昨年の3月にも食塩無添加餃子をこのコラムに載せているが、もう一度ここに、好物の餃子を食塩無添加で美味しく食べた記録を紹介する。実は私の自慢の料理の一つである。
普通、餃子の皮には1袋に0.4g程度の食塩が含まれているが、今日食べた餃子の皮はさらに食塩の含有量が少ないものであった(写真1)。一袋でわずか0.3g弱であり、20個食べても、0.2g程度であった。餃子の具は定番の白菜、それに豚ミンチである。食塩を使うときには、細かく刻んだ白菜に小さじ1杯程度の食塩を振りかけて良くもみ水分をとるが、ここでも食塩は使わずに、ただ刻んだ白菜を手もみして水分を少し落とした。昔は、ここで醤油を少し入れたがこれもなし。好みで少しごま油を具にいれて混ぜるのもよい。ごま油を入れるのは、中国から日本に留学していた友人の某教授から教わったが風味づけとのことであった。この具をよく混ぜて、用意した餃子の皮で包む。油を引いたフライパンに載せて、焼き上がりがくっつかないように上からちょっと油をさっと走るようにかけ、餃子が3分の1から2分の1くらいつかるように水をいれ、ふたをして焼き上がりを待つ。
餃子の無塩たれは、酢と、ラー油、ニンニクのおろしを混ぜたものを使う。ニンニクのおろしは、ぴりっとしてとても美味しい。酢は欠かせないが醤油は使わない。したがって、たれは全くの無塩である(写真2)。焼き上がったものをこのたれに浸けて食べるが「うまーい」と自画自賛する。もちろん、小さじ2分の1杯程度の醤油を仮につかったとしても、たれは食塩0.5g程度である。
これで、本日の昼食は食塩無添加で餃子の皮の分が0.2g、優に1食の食塩摂取量が1g未満に収まり、しかも満足であった。
写真1 この餃子の皮、1袋食べても食塩0.3g弱に収まる。25枚入りであったので、20個食べたが、食塩にして0.2g程度である。
写真2(私) 餃子のたれは無塩のたれ。酢、ラー油、ニンニクのおろし。ニンニクのおろしはぴりりと辛く美味しい。
写真3(私)具は無塩の餃子。皮には1袋25枚で0.3g弱の食塩が入るが、20個食べても0.2g程度の食塩摂取量に収まる。