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2015年11月4日

食塩無添加日記改め低塩食日記として再出発

 ことし6月に、一旦、食塩無添加日記を閉じた。それは妻が今の生活が1日3g台で収まっているのであるから、調味料として1日2g追加しても1日5g程度であり、より料理の幅が広がっていいのではとの提案からであった。確かにと思い、妻の意見に従うこととしたが、時々家庭で食塩を含む調味料を使うとなると、“食塩無添加日記”というわけにはいかないのでコラムを一旦閉じた。

それではその後どうなったか、少しでも皆さんの減塩生活を応援したいと思い、このコラムを再開することにした。そこで折に触れ、減塩に役立つ実践的知識とちょっとしたコツを綴る。

1日2g枠を好物の麺類とカレーライスに使って妻からぼやかれる

 以前にも書いたが、私は無類の麺類好きである。妻が外出して昼ご飯を自分で作るときにはついつい鼻歌交じりにうどんやそばを作ってみなくなる。なにしろ、定年の記念に立派な絵付けの清水焼どんぶり鉢を買ったほどである(写真)。

麺類の出汁は昆布と鰹を使い自分で作る。以前は、薄口醤油を薄味にするといってもそれなりに醤油を使い、美味しいおつゆにしていた。私の作るかつてのおつゆは、孫も認める美味しいものであったが、今は、もちろん、かなりの減塩となる少々醤油を加えたおつゆである。1日2g、家庭でも食塩を使ってもいいとなると小さじ1杯の醤油を使っても食塩1gであるので、十分に食べられる。また、ある日は、これも好物のカレーライスを食べるのに食塩添加枠を使う。カレールー1個が2.2g程度あるので、1個だと1gちょっと入るが、それを二人で分けて食べると一人0.5gの食塩添加となるので、カレールーを使ったカレーライスも食べられる。

このように1日2g枠を麺類のおつゆとカレールーで使ってしまうことが多くなると、妻から小言を食らう羽目となった。『折角いろいろと調味して料理の幅を広げようと思ったのに、こんなことで食塩を使われるとちっとも以前と変わらない』と言われてしまった。しかし、時には超低塩の味噌汁も朝食に出てくることになった。ジャガイモの味噌汁は低塩でも実に美味しいものである。

さて、そのような中で、去る10月22日から23日にかけて、4回目の24時間蓄尿を行った。その結果、Naの24時間排泄量は56.8mmolであり、食塩に換算して1日3.3gであった。この成績は結局のところ以前とほとんど変わりないものであった(2014年9月22日参照)。つまるところ、たまにごくわずかの調味料を使っても、1週間に数回は外食することになるので、その中に隠れてか日々とっている食塩量は大きく変わらなかった。

そのようなことで、依然、妻の協力のもと、家庭ではほとんど食塩の入っている調味料を使わない日々が続いている。そしてこれで毎日、美味しく楽しい食事をしている。

                             上島 弘嗣

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2015年9月25日に作った肉入り天ぷらうどん

昆布と鰹で取った出汁に醤油を小さじ1杯ほど加えた(食塩にして1g)おつゆにおなすの天ぷらなどを載せていただいた。もちろん、おつゆは残した。このどんぶり鉢は定年の記念に買った清水焼、これでうどんを食べるのは久しぶりであったが、いや実にうまかった。

2015年6月24日

妻のギブアップ

家庭での料理に食塩を含む調味料を原則使わなくなって、今月末で1年4ヶ月が経過することになる。この間、血圧の低い妻も私と同じ食事を作り、多少あとから少々塩を振ったり、醤油を使ったりしてしのいできたが、つい先日、もうそろそろ1日2g程度の食塩を添加する日もあってもいいのではと言い出した。確かに、そうしても私の食塩摂取量はたぶん1日5g未満には収まるであろうからWHOのお勧め基準は満たしていることになる。しかし、この日記のタイトルは「食塩無添加日記」であり「減塩日記」ではないので、今回の日記で一旦締めくくりをした後、時には少々調味料を添加してもよいことを了承した。

そのような話をしていた週末、最近行き始めた釣り船に乗った。この船、今回が4回目であるが、私としては珍しく初回の乗船時から7匹釣れ、前回までは毎回5匹以上の釣果があった。しかしこの日は、何と30cmくらいのガシラ1匹しか釣れず完敗かと思っていたら、納竿10分前に、突然、今まで経験したことのないガツンと大きな当たりがあり反射的に竿をあおった。ググーと重い引き、「乗ったか」と思い電動リールのスイッチを入れ、強い引きを感じながら慎重に巻き上げていると、船長が「ヒラメや!」といち早く手網をもって手助けしてくれ無事に取り込むことができた。完敗状態から最後のクリーンヒットで気分が一新した。

家に帰って早速料理に取りかかったが、写真1のように49cmもある、我が人生初の大きなヒラメであった。もちろん、ヒラメの刺身も自分でするのは初めてだったが、カレイの刺身は経験していたので、何とかやってみた。自己満足であるが、写真2のような刺身ができた(なんとこれで4分の1程度)。そこで、今回は1年4ヶ月ぶりに一滴醤油瓶(写真3)で小皿に醤油を垂らし、わさびをつけて味わった。「うーん絶品!!」、正直、ちょっと醤油をつけた超新鮮な大物ヒラメの刺身は実にうまかった。

さて、ここで食塩無添加日記は一旦閉じ、またの機会に1日食塩5g未満の減塩日記として報告できたらと思っている。食塩無添加中の私の随時尿(その時々の)のNa/K比は起床時が1.5まで、昼間は1未満、たいていは0.5-0.8程度であったが、たぶん、1日2gの食塩添加食にすると1程度は上昇するのではと推測している。どうなったかは、またの機会に報告できたらと思っている。

それでは、今までこの日記を見ていただいた方々に感謝しつつ、食塩無添加日記を終えます。また、日記の掲載をすすめて下さった荒川先生、荻原先生、そして、この日記の掲載の実務を担っていただいた日本高血圧協会の事務局の皆さんにも厚く御礼申し上げます。

さようなら。

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写真1 初めて釣り上げたヒラメ、49cmもあった。

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写真2 美しくできあがったヒラメの刺身、今日は1年

4ヶ月ぶりに、家庭で一滴醤油を使って食べるぞ。

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写真3 一滴醤油瓶、減塩には便利な醤油瓶、頭のポツ

を押すと、一滴ほどの醤油がでる。どこにでも売っています。

2015年5月26日

無塩出汁で作ったキツネどんぶりと豆腐とわかめのおつゆ

和食がユネスコの無形文化遺産に登録されて、ますますその中心をなす出汁に注目が集まっています。私は昔から無類の麺類好きで、特にうどんやそうめんは自分で昆布と鰹節で出汁を取り、薄口醤油で味を調えて食べていました。孫達も私に似てかうどんが大好きで、釣りにおける撒き餌のごとく、うどんを食べるかと問うと、元気な声が並び、ツバメが子に餌をやるような感じでした。それが、食塩無添加、調味料を原則使わない生活になってから、年越しそばとかの例外を除き、美味しい自前のおつゆでおうどんを食べることもほとんど無くなりました。もちろん、無塩の出汁でそうめんなどをいただくことはよくありますが、今日は、その無塩の美味しいうま味たっぷりの出汁でキツネどんぶりを作って食べることにしました。

昆布出汁をとり鰹節をいつもより沢山入れて、黄金色した出汁を作りました。それに、揚げ豆腐と九条ねぎ、玉ねぎ、わかめを刻み入れ、最後に玉子でとじて炊きたてのご飯にたっぷりと掛けいただきました。醤油は使わずですが、出汁と野菜、お揚げさんに玉子のうま味でとても美味しくいただきました。出汁をとった昆布と鰹節は、出汁のあまりと供に次の日の豆腐のおつゆに使い、すべていただきました。

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写真は無塩の出汁で作ったキツネどんぶり

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前日の無塩出汁で作った豆腐とわかめのおつゆ、食塩が入らないのでおつゆすべて飲み干しました。

2015年4月21日

おやつも食塩無添加食品を利用して

私は昔からピーナッツ、カキピー、かき餅、あられなどが好物でした。もちろん、おまんじゅうも大好きです。ピーナツには特別の思い出があります。戦後の貧乏生活の中で、父がたまに仕事で小遣いが入ると、近所の駄菓子屋さんでピーナツを50匁くらい(鶏卵3個分くらいの重さ)を買いに行き、兄弟で手のひらに少しずつ分けてもらって食べた記憶があります。以来、ピーナッツが大好きになり、そして、後年、柿ピーの虜にもなりました。昨年3月から家庭での食塩無添加食を実践してから、柿ピーを止めていましたが、小さい袋のものを全部食べても0.4g相当の食塩含有量ですので、いつのことか忘れましたが、つい最近、久しぶりに柿ピーを食べ、おいしいと思いましたが、やはりちょっと塩辛かったです。

さてそこで、好きなおやつをどうしているかをお話しますが、食塩無添加の食品を食べて代用しています。例えば、好きなピーナッツは無塩の殻付きのものを、普通の皮付きのピーナッツは食塩無添加のものを、あるいは、食塩無添加のミックスナッツを食べています。これらも、なれてくると刺身を醤油なしで食べられると同じように、結構おいしく食べられるのです。食塩無添加の食品は探してみるとかなりあり、私の近くの市場でも普通に売られています。食塩無添加のトマトジュースはどこのスーパーにでもあります。食塩無添加ツナ缶もあります。近所の市場やスーパーで売っていると言うことは買う人が多いと言うことですので、皆さんが薄味嗜好になれば、ますますその需要にみあった食品が売られることになります。

甘いものを食べたい時に、ときどきサツマイモを薄く切ってオーブンやフライパンで焼いたりして食べることもあります。また、昔ながらの芋けんぴも大好物です。これは、一袋食べても、カロリーは入りますが、食塩はほとんど入りません。それで、時にはおなかがもたれるくらい食べてしまい、ちょっと反省することもあります。

皆さんも、食塩無添加のお菓子類を探して試してみてください。美味しいですよ。

写真は無塩ピーナッツ(調味料・添加物無添加)、殻付きピーナッツはもともと無塩、ミックスナッツにも無塩のものがある。私の好物の芋けんぴも食塩の量は少ない。焼き芋はもちろん食塩は含まれない。ついでに、食塩無添加トマトジュースと食塩無添加ツナ缶の例を示しました。

 

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2015年3月13日

減塩の初級から上級を試みる勧め

早いもので、家庭での食塩無添加食を始めてこの3月で1年が経過しました。体重も55kg程度を維持しています。これも、昨年の3月から5kg減量してそのまま続いていますので、両方とも元の木阿弥にならずに面目を保つことができました。そう肩に力を入れているわけではないので、特に苦労したという思いはなく、今の課題はどうやって仲間を増やすかを考えているところです。

私の家庭での食塩無添加食をその程度で表すと“上級”と言えます。私も昨年の3月までは減塩に心がけるという程度の実践であり、これは、特に塩辛いものを避けるのは当然でしたが、他の料理も薄味にする、外食の時は薄味になるようなものを選ぶ、あるいは、もとから味の付いている料理には醤油は使わない程度の減塩でした。特に塩辛い物を避けるようにする程度を“初級”と定義すると、上級と初級の中間が“中級”と定義できます。かつては私は初級から中級をうろついていたと言えます。

世界保健機関(WHO)は2025年までに世界各国の食塩摂取量を一人当たり1日5g未満にすることを目標に掲げていますが、これは、中級の上に該当するのではないかと思います。私の食塩無添加食でも、食塩の摂取量は1日3g程度ですので、1日5g未満にしようと思うと、料理に少し調味料を使う、あるいは、家では食塩無添加を原則としても1日1食は外食になる場合が中級となり、食塩の摂取量が1日5g未満程度になるのではと思っています。私も外食が未だに多く、このときは薄味の外食を楽しむので中級になることも多々あります。そのような日は、日本高血圧学会の1日6g未満を満たしてはいても、私の日頃の食塩摂取量の倍近くになっているだろうと推測しています。

そこで、減塩を実践しようと思っておられる方、あるいは、何度か試みても失敗しておられる方は、まず、初級から始め次に思い切って上級を試してみられてはいかがでしょうか。そして、家で上級、すなわち、食塩無添加食に外食の機会があると、結果としては中級になりますし、1日5-6gを継続できる食習慣が身につくことが期待できます。

食塩無添加食のコツは2014年の8月に書きました7月17日の日記の中に書いていますが、もっと単純化すれば、要するに料理を極力しないように、食材のうま味をいただくと言うことと思います。下記の私の料理した本日の昼食の一品は、調味料無添加の焼き肉と生野菜のサラダです。これにご飯を一膳、これで十分に美味しくありがたくいただきました。

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写真 今日の料理しない食塩無添加食の昼食(私の料理)

調味料を加えずに牛肉をフライパンで炒めただけ。あとは生野菜と食塩無添加トマトジュース。

2015年2月6日

減塩食はなぜメタボ対策にも役立つか

 私の食塩無添加食も12ヶ月目になり、あと3週間ほどで無事1年を経過することとなります。食塩無添加食を始めるまえ昨年の1月から3月に掛けて3kg体重を減らし、さらにその後2kg減らして1年の間に5kg減らし、現在の体重55kg前後を維持しています。もちろん、妻に笑われるくらいおなかがペチャンコになり、ズボンもゆるくなりベルトの穴を一つ足しました。

いつか、減塩よりも体重減量の方が私にとっては難しかったといいましたが、それは、食塩無添加食にしていないときであり、今の食事にしてからは、体重コントロールも随分と楽になりました。これは、メタボリックシンドローム(メタボ)のある人なら、メタボの解消がしやすいことを意味しています。

なぜ、食塩無添加食あるいは減塩食にするとメタボの予防にもなるかといいますと、多くは直接の効果ではなく間接的なものですが、もっとも大きな要因は、食事への感心が高くなることです。加えて、これはある程度直接的と言えますが、薄味の食事は米飯を中心とした穀類の食べ過ぎを自然と抑制します。これは、梅干だけで、あるいは、漬け物だけでご飯が美味しく食べられることからも容易に理解できます。

袋物や加工食品に対しては、常にナトリウム(Na)がいくら入っているか栄養表示を見ることが習慣になりますが、このとき、もちろんエネルギーも見ます。一袋当たり、あるいは100g当たりのエネルギーが記載してあり、最後にナトリウムのmg数と親切なら、食塩換算量も表示されていますので、自ずとどれくらいのカロリーがあるかも自覚できるわけです。これは良い副産物と言えます。

油を使うと料理が美味しくなりますと以前にも書きましたが、すると、油は何を使うかとなりますが、もちろん、多くの場合はコーン油やオリーブ油、ごま油などになりますので、コレステロールも上がりにくい油を使うことになります。また、魚の油はコレステロールも中性脂肪も下げる作用がありますので、脂の乗ったお刺身は脂質異常症の治療食と言えるほどです。鰺、鯖、サンマ、鰯、ぶり、マグロなどの脂の多い魚も大いに結構ということになります。

私はもともと、チーズは余り好まない方でしたので、ピザぐらいしかチーズを食べることはなかったのですが、チーズの好きな人が減塩を目的としてチーズを控えると、コレステロールも低下の方向に作用します。水分を除けば、チーズの半分はタンパク質ですが半分は乳脂肪分です。乳脂肪は飽和脂肪酸というコレステロールが上がりやすい脂肪分が多く含まれています。もちろん、控えた分、エネルギー摂取が減少すれば中性脂肪も低下します。

私は無類のうどん好き麺類好きでしたが、食塩無添加食を実践してから自分でもびっくりするほどに麺類を食べる機会が減りました。以前は妻がいないお昼は、決まって自分でうどんの出汁を昆布と鰹でとり、「うまい!」と自己満足していたのですが、それがなくなり、これには妻もびっくりしています。それに、柿ピーやあられ、かき餅の類いも大好きであったのですが、これも、減塩の観点からたまにしか食べなくなり、なんやかんや併せると、血糖の上がりやすい炭水果物の摂取量が減りました。これが体重減量とその維持にも役立っていると思います。

というようなことで、減塩生活、私は食塩無添加食ですが、メタボの人にはこれがメタボ対策にもなると言うわけです。

2015年1月30日

鱈を使ったコクのある季節料理の一品

 冬場の鱈はあっさりして美味しい物です。しかし、それを無塩で美味しく食べられるのかということですが、一つは、この前にも紹介しましたが、オーブンで単純に素焼きすること、もう一つは、トマトを使うことです。今時のトマトは生で食べても旬のトマトと違い、甘みやコクはもう一つですが、それでも鱈のムニエルにトマトを煮込むととても美味しくいただけます。もちろん、この料理は、私の作った物ではなく、妻が作った物です。私は、まだこのような料理を作る技を身につけていません。学習には時間がかかるようです。

写真1の左上に黄色いジュースのようなものが写っていますが、これは、沖縄のシーカーサ-です。時々、野菜などに掛けています。スダチやレモンも掛けるとおいしいので、よく使います。香りの季節物としてはゆずがいいですね。

朝食(妻) 1)鱈のムニエルトマト煮込み、レタス・トマト

       2)小芋、昨日の水炊き野菜の残り入り、豆腐鶏ミンチ掛け

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写真1.料理1)と2)

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写真2,鱈のムニエルトマト煮込み、レタスとトマト添え

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写真3.前日の水炊きの残りに豆腐と鶏ミンチを掛けたもの

2015年1月12日

 新年あけましておめでとうございます。

私が調味料に食塩を含むものを家庭では原則用いないことにして、1日の食塩摂取量を3g台にしてから10ヶ月が経過しました。「元の木阿弥」になるのではないかという不安は全くなくなり、外食で上手に味付けした懐石料理や洋食を食べても、家に帰れば妻の支援のもと、ごく自然に日頃の食塩無添加食に戻ります。昨日も客人を案内してなじみの京懐石の料理屋さんに行き、美味しいお料理に舌鼓を打ちましたが、その翌日の今日は、一転して食塩無添加食で朝食をゆっくりと楽しむことができました。

食塩無添加食の好いところの一つは、生野菜サラダなどは野菜の一つひとつの個性を味わうことができるようになったと言うことです。トマト、セロリ、きゅうり、レタス等々、一つひとつの野菜の風味を楽しむことができる感性を身につけることができました。要するに、不要な人工調味がないからこそ、野菜本来のおいしさを味わうことができるようです。

おせち料理とその後始末

さて、今日は年末年始、食塩無添加食を実践することができたのかどうか、どのようにして過ごしたかを報告します。お正月3が日の食事と、時折測定した尿中のNa/K比の検査値とともに振り返ってみます。また、妻が、おせちの残りをどのようにしてその後の料理に生かしたかもお話しします。

1月1日 (木)    体重55.6kg

今年も例年と同じように家族が15人も集まるので妻はおせちを作りました(写真1)。妻は工夫して私のは先に取り分け、食塩無添加や脱塩の料理を特別に用意したようですが、すべての料理が食塩無添加ではないので、いつもよりは食塩が多く入りました。その実例をここに示します。

・朝食(妻) 1)お雑煮(白味噌、大根、小芋、京都は白味噌です)―――おちを二つ食べました。(味噌汁からの少量の塩分が入りました)。2)酢の和え物(お正月用にいつものように作ったものですが、私のものは食塩無添加で酢のみで味付けしたものを別途用意したとのこと)(写真2)、3)煮物鍋(無塩)(写真3)、4)おせちから、かまぼこ一切れいただく。5)数の子(食塩が残っていた)。

元日のお祝いの朝食は、減塩食となりました。この朝食2時間後の尿中のNa/Kは、いつもより少々高めの1.1でした。

私は日頃なら1未満ですので、若干高くなっていますが、普通の食事をしていれば、3前後はあるはずですので、減塩はできています。

ここに、妻が工夫したおせちを箇条書きして示します。

  • 大根なます(無塩、酢のみ)、ごぼう・レンコンのごま和え(私のは無塩)
  • 数の子は2日間塩出し(ほとんど塩分なし)
  • 穴子入り卵焼き(1切れ食す)
  • ごまめのナッツ和え(食べず)
  • 黒豆(甘み、食塩少々、薄味)
  • 栗きんとん(少々食す)
  • 筑前煮(小芋、鶏、干し椎茸、レンコン)(食べず)
  • 根菜の煮物(大根、小芋、コンニャク、レンコン、カボチャ)(食べず)
  • タコの空揚げ(数切れ食す、食塩入る)
  • きんぴらごぼう(人参、レンコン、コンニャク入り、食塩少々)
  • 無塩の煮物(私用)
  • 小アジの空揚げ(無塩)

写真1

写真1 家族そろってのお正月、おせちも作りました。

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写真2 無塩の酢の物(おせち料理の一つたが、私のものは特別に無塩で酢と、すりごまのみで味付け)

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写真3 無塩の煮物(おせちの材料を特別に取っておき、無塩の煮物にした)

・昼食(妻) 1)おもち(2個)、2.タコのカルパッチョ(このタコ、娘がお土産に持ってきたもので、塩ゆでしてあり食塩が入った)、3)サラダ(無塩)、4)レンコン入りミンチ(食塩少々、お正月で子供達も食べるので、無塩にはできなかったとか)、5)魚の空揚げ(無塩)(釣ってきた魚を揚げる)

午後3時の尿中Na/K比=0.7(いつもの値と変わらず)。

・夕食(妻)1)カニすき(食塩無添加、ただし、カニは塩ゆで冷凍であったので、若干の塩を含む)、2)すき焼きの肉少々(若干の醤油味で食塩少々)、3)餅2分の1個、米飯2分の1杯

1-2gの食塩が入ったかもしれない。

1月2日(金) 体重55.5kg

・朝食(妻)

1)お雑煮、2)煮物(無塩) 朝食後の午前9時の尿中Na/K比=1.1 (やはりいつもより高め)

・昼食(外食)

1)孫と釣りに行き、昼は外食でラーメン(釣り場の食堂ではこれが一番塩が入らないと思えた。麺とそれに付いてくるスープの食塩のみが入る。出汁は飲まず)

・夕食(妻) 1)手巻き寿司(寿司飯は酢のみで食塩無添加)、2)すまし汁(食塩少々)、PM8時 尿中Na/K比=0.9、しかし、午後10時45分頃、Na/K比=2.0と高かった。起きている時に、2.0に達するのは極めて珍しく、やはり、お正月料理の影響を受けたものと思われます。

写真4

写真4 手巻き寿司を食べる筆者(例年、孫達と賑やかにお正月を過ごします)

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写真5 手巻き寿司の具(チーズとカニには塩分があるので、チーズは遠慮した。カニは一つ食す)

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写真6 手巻き寿司の具(おせちの味付きの具ものあるが、私は無塩のものを選んだ)

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写真7 私が食した手巻き寿司の具とのり(数の子とタコに食塩が含まれていた)、刺身は醤油をつけずに食べた。

1月3日(土)  体重55.3kg、 尿中Na/K比=3.3 !! (午前6時50分、この値は私としてはとんでもなく高く、新記録)

やはり、少しずつの食塩摂取が続き、朝起きたての尿中Na/K比は3を超えた。

  • 朝食(妻) 1)お雑煮、おせち(数の子、ブロッコリー、トマト、魚のムニエル、かまぼこ1切れ) 午前9時の尿中Na/K比=0.7、10時30分の尿中Na/K比=1.2

この日の午前中のNa/K比はやはり高かった。元旦からのおせち料理から少しずつではあっても食塩が入ったためと思われる。

  • 昼食(私) 1)焼き餅1個、Na/K比=0.8(午後12時20分)Na/K比=0.6 (午後4時)
  • 夕食 (外食) 中華料理屋さんへ(食塩入る)

1月4日(日) 体重55.2kg、Na/K比=1.9 (午前6時35分)

この日の朝食は、妻がおせちの残りものをキッシュにしたもの、ぶりの焼き物、鳥肉の焼き物(写真8)、2)かぶら菜とお揚げの炒め物、3)焼きハマグリ2個(これは塩からかった)、4)ブロッコリーの牛乳煮

写真8

写真8 おせちの残りをキッシュにしたものと、ぶりの素焼き、数の子、鶏肉の焼き物(キッシュに少々食塩が残っている。小さい数の子にも。)

1月5日(月) 体重55.4kg、 尿中Na/K比=1.7 (午前7時)

この日の朝食にも妻がおせちと雑煮の残り物に鶏、玉ねぎ、椎茸を追加してグラタンにした(白味噌汁を牛乳で薄めたものなので、食塩が少々入った)(写真9)。午後6時の尿中Na/K比=0.7、午後9時の尿中Na/K比=0.8

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写真9 お雑煮の残りに牛乳を加えグラタンにしたもの (食塩少々入る)

1月12日(月) 体重55.4kg、 尿中Na/K比=1.4 (午前7時)

今日の食事は外食が1回あったもののほぼ日頃の食事でした。

  • 朝食(妻) 1)カボチャ、チンゲンサイの鶏ミンチ・トマトジュース煮 (一昨日の残りもの)、 2)トマト・レタスの生サラダ (シーカーサをかける)、 3)ヨーグルト、4)ニシン、大根の水煮、5)米飯
  • 昼食(外食) 天ぷら定食、天ぷらのつゆは使わず、すまし汁も飲まず。
  • 夕食(妻) 1)カキとエノキと白菜の水煮(無塩)、レモン添え、2)鯖のトマトジュース・野菜煮込み(無塩)(写真10) 3)米飯1杯、 4)日本酒50ml程度

写真の鯖のトマトジュース・野菜煮込みは、無塩ながらも美味しく鯖を食することができました。トマトジュースの色も美しく、見た目も美しいものでした。

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写真10 鯖と野菜をトマトジュース煮たもの。彩りもよく、おいしかった。(無塩)

夕食後の尿中Na/K比は0.6でした。

以上のように、お正月は若干食塩が多くなったものの、食べ過ぎず、体重を一定に保つことができました。水炊きや食塩を使わない手巻き寿司で食塩を控えることができました。また、おせちの残りも、妻はうまく次ぎの料理に生かすとともに、減塩になるように工夫してくれました。おかげで、食塩摂取量は少なくてすみました。

1月12日(月)の尿中Na/K比の値が日頃の成績であり、これだと食塩摂取量は1日3g台になっていると思います。夜間睡眠時の尿中Na/K比は昼間よりも高くなりますが、それでも、1月3日の朝に尿中Na/K比が3を超えたのは初めてでした。このような値がでると反省のきっかけになります。ともあれ、無事、年末年始を減塩で乗り切りました。妻にも感謝です。

食塩無添加食日記  2014年12月21

外食での減塩のコツ

  仕事上、出張で外食することは今も多い。そのようなときは、家で食塩無添加の料理を食べるようにはゆかないし、どうしても調味の効いた料理をいただくことになる。しかし、外食においても、食塩を極力減らすことのできる工夫がある。

 

1) 洋食レストランでの工夫

① 生野菜のサラダはドレッシングを別にして、と頼む。気の利いたレストランではサラダと別にドレッシングを別の器に入れて持ってきてくれる。

先日、別に持ってきてもらった鱒のマリネのドレッシングは、ほとんど塩分が入っていなくて、しかも美味しかったので、結果としてはその別のドレッシングをいただいてしまった。サラダのドレッシングは、掛けずにサラダをいただいた。

② 鳥肉やその他の揚げ物にかかっているソース類も掛けずにくださいと頼むとよい。もちろん、別にしてもらってもよい。

③ 煮込み料理はなるべく注文しない。

④ パンよりもライスにすると食塩が少なくなる。

 

2) 和食で塩分を減らす工夫

① 刺身、天ぷらなどは、いつもの通り何も調味料を使わずに美味しくいただける。

② お浸しは、出汁醤油が最初からかかっている場合は、お湯やお茶をその受けから掛けて塩分を落とす。

③ もちろん、漬け物類や佃煮類には手をつけない。つけても、風味のみを味わう。

④ 旅館で湯豆腐が朝でたが、これはしめたと思い、この湯豆腐のなかで少し調味してある料理を入れて、“脱塩”してよばれた。昆布を入れて茹でる湯豆腐は、脱塩の道具としても優れている。お浸しを入れてさっとお湯にくぐらせて食べるのもよい。欲張って、イカの塩麹で味付けしたものを入れて脱塩しようとしたら、妻に駄目だしされた。

⑤ 味噌汁、すまし汁は中身と風味をいただき、飲み干さない。

⑥ 魚の干物は、遠慮するのが原則だが、私は鰺の開きが大好きでなかなか見送れない。そのときは、骨の着いた片身の方に少し箸をつけるが、残りの片身は塩がきいているので残すようにする。

このようにして旅館での和食でも、レストランでの洋食でも和食でも、工夫をすればかなり塩分を控えることができる。

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上の写真はある日の旅館に泊まったときの夕食の水炊きであったが、これは格好の脱塩装置でもあった。本当の水炊きであったので、手元の出汁を加減すれば、無塩で食することができた。そして、他の調味したものも、この水炊きの中で“脱塩”できた。

さて、これから年末、年始にかけてどのように食塩の入らない食事をすることができるか、今年3月から食塩無添加食を初めて以来の年越しとお正月となる。その詳細は次回の報告をお楽しみに。

2014年11月6日

お弁当を作ってみた

 仕事上、学会等で出張が多く新幹線をよく利用する。昨日、東京で一泊し学会に参加することになったが、1泊の旅行でも4食は外食になるので新幹線の中での食事をいつもの駅弁ではなく手弁当にした。最近、自分で弁当を作ったのは釣りに行ったとき以来のことであり、列車の中で食べるものは初めてであった。

作って3時間以内に食べるので、この時期、一度火を通しておけば食中毒の心配はなく、いつもの食塩無添加食を弁当にできる。駅弁としては、学習したうま味たっぶりの食材を使うことにした。鳥肉、サンマ、揚げ豆腐、玉ねぎ、セロリ、トマト、キャベツである。親友から送ってきた香りと甘みに満ちたラフランスの一切れも添えた。

写真ができあがりである。鳥肉と玉ねぎ、揚げ豆腐を炒め、鶏のうま味と玉ねぎの甘み、揚げ豆腐の風味とうま味を生かした。旬の生サンマは、焼いただけで美味しい。セロリはさっぱりとした味と香り、カリッとした感触が好きだ。トマトもそのままで美味しい。

ご飯は炊きあげたものを少し冷まして詰めた。一つ小さな梅干し、これはたぶんお正月に使った大福茶の梅干しと思うが、それを花に添えた。もっとも、これには手をつけずに食事を終えた(証拠写真3番目)。これで、外食の1回をいつもの無塩食で美味しくいただいた。サンマ二切れに含まれる自然の塩味だけであるので、たぶん食塩摂取量は1g以内であったと思われる。

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