食塩無添加日記 2023年12月20日
日記の終わりに
上島 弘嗣
2014年から食塩無添加日記をここに記して来ました。そのはじめは、日本高血圧学会、国際高血圧学会理事長を歴任された荒川規矩男先生から、どんな食事をしているか報告してくださいというお声かけから始まりました。それから、10年近い月日が流れました。私も、80歳を過ぎこの日記もここらで閉じようかと思うようになりました。前回は、4月に記しましたので、半年以上報告を怠りました。
私の健康状態ですが、現在は元気にしていますが、2023年2月に高齢者に多い不整脈、心房細動が生じ40時間ほど続きました。この不整脈が生じると、心房に血栓(血の塊)が生じやすくなり、それがはがれて血流に乗って流れると脳の血管で詰り、脳卒中になる危険性が高くなります。私たちの大規模疫学調査1)では、心房細動のない人に比べて4倍も脳卒中を起こしやすかったのです(図)。それを予防するためには、薬で血栓ができにくいようにする方法や、不整脈そのものをカテーテル手術で治療する方法があります。不整脈が再発するようならば、カテーテル手術を受けようと思っていたのですが、7月に数時間ほどですが、不整脈が再発しました。それで、覚悟を決めてカテーテル手術を9月に受けました。
この心房細動が生じる原因は、弁膜症が原因でない場合は、加齢や高血圧、甲状腺疾患、飲酒等が要因となることがあります。そのため、高齢者に多い病気です。高齢であることは何ともしがたいので、私の場合、高血圧に気をつけるしかありません。その点からも、減塩は大事なのです。
毎日、普通に食事がとれている場合、減塩による害はありません。必要最低限の食塩は、食塩を添加しなくても、食物からとれているのです。
いかに日々の食塩摂取量を減らすかですが、やはり今取っている食塩量の半分量にすることを目標にするのがいいと思います。そうすれば、日本高血圧学会や世界保健機関の推奨目標である、それぞれ1日6g、5g未満になるでしょう。
私のここ1-2年の血圧値の日々の平均値は、上は130、下は70前後で推移しています。40歳代から服用した降圧薬は今も継続していますが、服用量は60歳代ころよりはるかに少なくなり、過去の最小量(1剤のみ)になっています。
大事なことは、減塩の食事を続けることです。そのための要領を最後に記します。
- 常に減塩意識を忘れずに
- 減塩の目標は、現在の食塩摂取量の半分程度に
- 薄味でも塩分量が多くなる汁物の塩分量には気を付ける(写真1)
- 料理の中に塩分を含むものがあってもよいが、塩分量には気を付ける(写真2)
- たまに外食で息抜きをしてもよい
- 家庭での血圧測定を週に数回以上行う(血圧測定は減塩継続の動機となる)
写真1 野菜汁、塩分は添加していない。野菜の風味のみで美味しくいただける。お汁を飲んでも、塩分は入らない。具材は子芋、さつま芋、白菜など。
写真2 ちりめんじゃこ約1gで0.07gの食塩相当量, ご飯のお供として好んでいる