食塩無添加日記 2021年1月10日
病院食がとても美味しかった―日頃の食塩無添加食のご利益
上島 弘嗣
昨年の暮れ、術前検査で国立循環器病研究センター(国循)に1週間足らず入院した。若いころ、5年ほど勤務していた。18年ほど前にも緊急入院したことがある。この病院は、減塩料理本、“かるしおレシピ”の開発と普及活動でも有名であり、一食2gの塩分のレシピを掲載した本を刊行している。(http://www.ncvc.go.jp/karushio/recipes/)
さて、検査入院した当日、家では食塩無添加食なので、できるだけ塩分の少ない病院食にしてほしいと看護師さんに相談したところ、1日3g食があるというので、それにしてもらった。大変薄味なので試食されてからにしては、とのことであったが、その必要はありませんと、すぐに変更してもらった。
実際には、1食1gを超える食塩量であったが、美しく、とてもおいしいものであった(写真1-5)。病院食なので、器は割れないプラスチック製であるが、料亭の美しい器にもって出てくれば、病院食であるとはとても思えないものであった。料理に手が込んでいて、品数も多く、香づけにも注意が払われている。薄味とはいえ、食塩無添加ではないので、味があり美味しい。他の患者さんに、ときには味が薄いといわれるとのことであったが、私は味覚に敏感になっているのであろう、薄い味も美味しく感じた。これは、日頃の食塩無添加食のご利益である。
日々、患者さんの食事に気を使っておられる栄養管理室の皆さんに、あらためて、御礼と感謝の気持ちを伝えたい。(写真は国循栄養管理室の承諾を得て掲載)
写真1 12月21日の夕食、食塩1.12g、597kcal.
写真2. きゅうりとわかめの酢の物。
写真3. ほうれん草のお浸し
写真4.かぼちゃ、しし唐、ナス、厚揚げの煮物(かぼちゃは冬至にちなんで)
写真5.豚肉、人参、白菜の煮物、柚子の香りづけ