2018年3月24日

食塩無添加日記 2018年3月24日

 

食塩無添加食で丸4年経過して思うこと  

早いもので、食塩無添加食を始めてから丸4年が経過した。毎日、美味しく楽しく料理し、いただいている。今日は、その始めた動機からその効果まで、4年間を振り返りよく質問されることにも触れながら、まとめてみた。

 

始めた動機

家庭での料理に原則食塩を含む調味料を一切使わなくなってから、4年を経過した。始めた動機は、妻から降圧薬をこれ以上増やせない、心臓の専門医からも、「もう少し減塩してください」と言われたことによる。自分の研究で、1日に摂取される食塩量の半分は添加する調味料類からとられるので、これを止めれば簡単に食塩の摂取量は半分以下になると考え、家庭での食塩無添加食を始めた。

幸いにも、家庭での食塩無添加食で、特に苦労をしたということは無く、毎日、当然のごとく無塩料理を美味しくいただいている。なにしろ妻から自立訓練と称して、料理とその片付けを教育されたので、自分でやることが多くなった。そのため、料理に塩梅を考えなくてよい無塩料理は、経験の浅い私にとってはめっぽう楽である。肉と魚のバランスを考え、野菜を十分に取り入れて料理をするだけである。

 

どんな料理も可能

考えてみれば、料理は、焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げる、生で食す、の形態が基本であるので、冷蔵庫から食材を取り出し、どの料理形態にするかを決めればよいので、簡単である。食材が足りなければ、近所の市場やスーパーで買ってくる。それに、難しい手の込んだ料理はしない。写真1-4は最近の料理の一例である。

焼きめし、天ぷら、フライ、炒めもの、から、お好み焼き、カレーライス、餃子、うどん・そば、まで何でもできる。カレーライスは全くの無塩、餃子は市販の皮を使っても具は自分で作り、タレも酢が基本なので、20個食べて食塩0.8gにも満たない。麺類は、出汁を無塩にするか、麺類を無塩にするかであるので、これも、1食0.8g以内に収まる。大概は出汁を無塩で作るので、おつゆも全部飲む。ポタージュもポトフも無塩で食べられる。かつおと昆布の出汁、牛乳や無塩トマトジュースが煮物や汁物に大活躍である。もちろん、塩の入らない七味、胡椒、山椒などはよく使う。

 

食塩不足は生じない

塩分不足にならないかと問われることがあるが、必要なエネルギーをとっておれば、自然の食材に1日に必要な塩分は入っている。生の貝柱をフライパンで焼いても、その塩味にびっくりするほどである。加えて、仕事上、どうしても外食の機会が多いので、いくら注意しても、1食外食すると2-3g程度の食塩は入ってくる。したがって、私の1日当たりの食塩摂取量は、24時間蓄尿で確認すると3-4g程度である。これでやっと、世界保健機関(WHO)の勧奨の1日5g未満を満たしている。私の昼間の随時尿(1回毎の尿)のNa/K濃度(mmol/mmol)比は1.0未満である。これだと、1日5g未満の食塩摂取量を達成できていることが、別の私達の研究で確認できている。

 

血圧は下がり薬は減った

その結果どうなりましたか、と良く聞かれる。血圧の薬は食塩無添加食を始める前の、2分の1から3分の1程度にまで減薬でき、しかも、収縮期血圧値はほぼ130mmHg未満を保っている。たまに超えるときがあるが、これは主に出張の後で食塩摂取やアルコール飲用量が多くなり、体重が増えた時などである。

私にとっては、無塩食より体重のコントロールの方が難しい。

 

皆さん減塩を始めましょう

さて、減塩を始めようと思っている人でも、食塩を一切使わない料理はどうも、と思っておられる方が多い。そのような方は、私の食塩無添加食に少し調味料を加えればよいので、難しくはない。妻は低血圧でもあり、食塩無添加食を食べる必要がないので、できあがった料理に少し調味料を加えて食している。

減塩は高血圧治療の基本である。減塩による害は特殊な病気のある人以外はない。減塩の程度に応じて血圧は低下し、脳卒中や心臓病の危険度は低下する。減塩に反対するキャンペーンが、医療関係者をも巻き込んで、昔から周期的になされるが、これには一部の食品業界の抵抗が見え隠れする。雑誌等では、奇抜な見出しで“売らんかな”の思惑も透けて見える。そのことについては、過去のブログでも述べた通りである。

味覚は習慣でもある。私は、家での食塩無添加食を仕方無く食べているのではない。毎日美味しく、楽しくいただいている。これから始められる皆さんも、きっとそうなること請け合いである。

 

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写真1と2(洋風おじや)(私の料理) フライパンで小エビ、イカ(冷凍魚介パックのもの)、お揚げ、ほうれん草、人参等の具材を炒めて牛乳を入れ、そこへ冷やご飯を入れて洋風おじやにした。無塩でもうま味たっぷり。

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写真3 お好み焼き(私の料理)豆腐と卵と小麦粉で下地を作り、野菜を刻んで混ぜたものを焼き、鰹と海苔を振りかけた。ソースはなし。豚肉を焼いて乗せている。左端には、冷凍を戻した貝柱。

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写真4 天ぷらとフライ(私の料理)手前にあるのは、鯵フライ。真ん中の野菜はブロッコリーの天ぷら。他に、レンコン、カボチャ、椎茸など。食塩無添加で出汁なしでもこのままで美味しい。